イキプロIN佐賀県多機能型事業所研修

我が家の18歳オシャンティー男子が昨年高校在学中、

ふとした視点の切り替えから生まれたビジネス、生きる教科書プロジェクト=イキプロ。

 

脳性麻痺の自分を生きる教科書として

『医療・介護福祉系大学、専門学校』及び『障害児者支援施設、支援事業者』に向けた実地研修だ。

 

そのイキプロ。

この4月29日、佐賀県多機能型事業所『ミルキーウェイ』様からお声がけ頂きついに大阪を飛び出すため、新幹線に飛び乗り、鳥栖市に向かった。

 

 

 

 

 



佐賀県鳥栖市多機能型事業所『ミルキーウェイ』

 

静かな住宅街の中、広い敷地が広がる。

 

古民家を改装されたというミルキーウェイ様。

 

自動スロープを上がると、

中は驚く程広く、昔ながらの作りに大人も子どもも自然に心が落ち着く。

 

思わず、つい寝転んでしまいたくなるほど、ほっとする空間だった。

 

目に見えない温かさに、オシャンティー男子の緊張もほぐれていく。

 

 

 

 

 


■テーマ/姿勢と運動-児童デイサービスで考えるー

今回ご参加くださったミルキーウェイスタッフさんは

理学療法士3名、言語聴覚士1名、看護師2名、保育士3名、指導員1名、計10名の皆様。

 

『イキプロ』メンバーは

実地研修担当講師、畠山亮夏。

前回、前々回とパートナーを組んでくれている小児専門セラピストの理学療法士平垣さん。

そして看護師でもあり、大阪豊中市児童デイサービスPrimo管理者の西田さん。

サポーターとして療育者兼保護者の私、畠山の4名。

 

研修時間は途中休憩も挟み13時30分~17時00分の3時間30分。

 

●研修スケジュール

⑴支援計画を立てよう!

グループ分けしたスタッフの皆様で、モデル講師の支援計画を立てる

 

⑵セラピストによる座学

支援計画後、小児専門セラピストから筋緊張と姿勢保持について基礎的な座学を行う

 

⑶触れてみよう!

座学をもとに、モデル講師の身体に直接しっかりと触れながら、受講者ご自身の手で緊張の状態からコントロール、保持へと体の変化を合わせて体感

 

⑷支援計画を見直す

座学と実際に体感した感覚を基に、初めに立てた支援計画を見直す

 

⑸発表

チームごとにそれぞれが立てた支援計画を発表

セラピスト、モデル講師、看護師兼管理による返り

 

⑹座位とアクティビティ

実際に座位が落ち着いた状態から、利用者主体(モデル講師)の遊びや取り組みを考え、実践

 

⑺まとめ

 

 

 

 

 

 



■感想


■今回の研修はいかがでしたか?

・すごく勉強になった×10名

・まあまあ勉強になった×0名

・今一つだった×0名

・全然だった×0名

 

■今回の研修であなたが最も学びになったのもを教えてください。

・本人の訴えや思いを取り入れて支援してゆくこと。スタッフの想いや、「こうだろうな」と推測だけではいけないんだと感じた。(PT)

・亮夏さんの思い、保護者の思い両方を実際に伺えたこと。具体的なエピソードが聞けたこと。(PT)

・本人に添った支援。本人、ご家族の気持ちを汲み取る支援をすること。(PT)

・ご本人、ご家族の生の声が聞けたことがとても貴重な経験だった。支援者側が思う「~したいだろう」「~こうだろう」という考えが間違っている事もあるんだと、ハッとさせられた。(ST)

・利用者の方のお気持ち、言いたい事、したい事をしっかりと汲み取ったうえで支援計画を立てなければならない。本人だけではなく、ご家族の意向も聞き、お互いにとってより良い支援を目指すこと。(看護師)

・なかなか当事者本人に自分の気持ちを聞くことが出来ず、支援者の「~だろうな」で推測して支援していくことが多かったように思う。亮夏さんに直接想いを聞いて、短時間の中でも支援して楽しむ姿が見られたのが良かった。(看護師)

・一番は子ども自身の意思や考えを尊重し、子どもが自ら選択、決定する関わりや活動が大切なのだとわかりました。(学生)

・アテトーゼ型筋緊張の方とのコミュニケーション、想い。全ての事に感動した。(保育士)

・本人に気持ちを聞いて支援する事。私たちはお話しできないお子様を支援することが多く、つい先回りしたり、過保護になったりしてしまいがち。とても大切なことを教えてもらえた。(保育士)

・職場の中でのスタッフとの関係や連携も、一人一人の利用者を知ってケア、サービスするだけではなく、学び合うことも必要だと感じた。(保育士)

 

■今回の研修は今後の皆様の業務にどの様にご活用いただけると思いますか?

・スタッフ同士で話し合う時に、共通認識をもって話し合うことが出来る。(PT)

・これまで以上にご本人、ご家族のお気持ちを取り入れ、笑顔が沢山みられる支援をしてゆく。(PT)

・本人のしたいこと、したくない事をご本人に決定してもらうということを前提に関わってゆきたい。(ST)

・利用者の言葉に耳を傾け、一人一人の疾患を理解し、楽しく過ごせるデイにしたい。(看護師)

・言葉で話せなくても、表情やしぐさでご本人の意思や思いをより詳しく汲み取り、支援につなげたい。(看護師)

・療育を考える際、「この子はこうだろう」と決めつけや先回りせず、子どもとコミュニケーションをとりながら支援を考えてゆきたい。(学生)

・職場スタッフの連携。(保育士)

・その子の年齢に応じた対応を、その子の思いに沿って聞いてゆく。(保育士)

・必ず本人に聞いて反応をみる。(保育士)

 

■今までに受けられた研修と「生きる教科書プロジェクト」研修との大きな違いは何だと思いますか?

・当事者の声を実際に聞けること。(PT)

・本人の気持ちを聞きながら研修を受けられたこと。(PT)

・テクニックや座学のみならず、本人の意見、意思を感じ、聞き、見る事が出来た事。(PT)

・ご本人の身体、心に触れられる研修はほかに経験が無い。全く違う研修だ。(ST)

・スライドや卓上だけでなく、亮夏さんご本人の言葉に耳を片むけ、一緒に笑い、亮夏さんの身体で学ばせてもらえたこと。(看護師)

・今までは家族や支援者が主の研修だったが、当事者が主の研修でとても分かりやすく、学びになったところ。(看護師)

・座学だけではない研修はとても勉強になった。(学生)

・実際に来ていただいて、本人の訴えや様子を感じられたこと。(保育士)

・当事者が教えてくれたことに感動を覚えた。(保育士)

・ご本人、ご家族だけでなく、関係機関からの視点を学べたこと。(保育士)

 

■障がいのある方がモデル講師になってくださることに素直に感じた事を教えてください。

・現在利用されているお子様が、充実してデイサービスを利用しているのか、考えさせられた。(PT)

・側弯や変形だけを問題視しないようにしたい。個人としての関わりを大事にしたい。(PT)

・最初はコミュニケーションがとれるか不安があったが、研修を通じて少しずつ話していることが理解できるようになってきて楽しかった。(PT)

・とても緊張する研修だったが、肌に触れさせて頂いたり、専門職セラピストのお話を聞きながら、とても勉強になりました。(ST)

・本当に「生きる教科書」となって、実際に触れさせていただき、言葉を交わせたことが感動した。自分たちが見えていなかった事を学ばせていただいた。(看護師)

・聴きたかったことを聞ける機会で、凄く良かった。話してくれることに感謝したい。(看護師)

・ご本人の口から思っていること、感じていることを直接聞ける事は、普段大人ばかりで話していて凝り固まった考えを改めるいい機会だった。(学生)

・日常の忙しさに流されて、大切なことを忘れてしまう事もあったが、今日の研修はとても勉強になった。(保育士)

・実技として、自分が立てた支援計画によってどのようにご本人が感じ、スタッフと連携して動いていくのか、戸惑いながらも知りえた事は大きかった。(保育士)

・感動し、言葉一つ一つに重み、責任を感じた。(保育士)

 


様々な立場や職種が入り混じる支援事業所。

だからこそ、より良い他職種連携を図ることが出来れば、さらに充実した支援を行うことが出来るのではないか。

 

最後にモデル講師(オシャンティー男子)がミルキーウェイの皆さんに伝えた言葉がある。

 

「子ども扱いしないでください。」

「子どもに選ばせてあげてください。」

 

全身から絞り出し、紡いだその言葉とともに、彼の目から涙がこぼれ落ちた。

それは、「伝わった」という、喜びの涙。

 

伝わらなかった。

 

今までは。

 

誰も、自分の言葉に耳を傾けようとはしなかった。

だから、伝える事を諦めていた。

 

でも、ちがった。

 

みんなが自分の言葉に耳を傾けてくれる。

 

「もっと伝えたい」と思った。

 

そしたら言葉がでてきた。

 

仕事を通じて、伝わる嬉しさを始めて知った。

 

・・・・・・・

もうある程度まで来たと思っていた。

成長しきったと思っていた。

 

でも違った。

 

イキプロをつうじて、彼は成長している。

心が、意思が、成長している。

 

環境次第で、人はいくつになっても成長できるのだ。

 

私もまた、忘れかけていた大切なことを気付かせてもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミルキーウェイの皆さん、今回はイキプロ研修へのご依頼有難うございました!

 

☆お知らせ

生きる教科書プロジェクト「イキプロ」では、研修のご依頼を募集しています!!

 

対象者

・医療、介護系大学又は専門学校

・障がい児支援施設又は事業者

 

「介護、支援」は人と人。

 

支援する人、される人。障害者、健常者。

そんな垣根を越えて

 

仕事として携わるみんなが「介護、医療の仕事楽しい!」

 

そう思ってもらえる社会になったらいいな!!

 

これが彼の想いです。

 

そんな脳性麻痺の僕だから彼できるビジネス「イキプロ」を応援してくださる方を募集しています!

今年度は皆さんにこの活動を知っていただく事が目標です。

 

「うちの学校どうかな?」

「紹介したい人がいるよ!」

 

などございましたら、是非おつなぎくださいませんか?

 

ご質問、詳細も何なりとお問い合わせください(^^)

どうぞよろしくお願い致します!