
■雨はホントは青いのか?
発達に偏りがあるお子様たちへの療育は、
一般的に
『出来ないこと、苦手なことが少しでも出来るようになる』
という視点にフォーカスされています。
確かに、出来ない事や苦手なことが今よりも出来るようになることは、子ども達の生きやすさを育むために必要なアプローチです。
しかし本当にそれだけで良いでしょうか?
例えば、こんな療育があります。
1枚のタコの塗り絵があります。
その子は青く塗りたい。
ですが
「たこは赤だよ。だから赤を塗ろうね。」
と指示されます。
そうして、たこに赤色を塗る練習をするのです。
これは、自分の感情をコントロールする訓練の一つで、この様な療育は多く取り入れられています。
学校生活など『集団生活』という場で、自身の感情を上手くコントロールする力は確かに必要です。
ですが、彼の
『本当は青く塗りたい』
という感情は、一体何処に行くのでしょうか?

■『〇〇しなければならない』を受け取るために必要なもの
それは
『ありのままの自分は愛され、認めれれている。』という土台です。
本当は青色を塗りたい。
- その感情を受け入れ、あるがままの自分も『良し』としてくれる場があること。
- 出来ていない事ではなく、好きなこと、頑張っている事に注目されていること。
そのうえで
「でも、たこは赤なんだとさ。」を初めて受け取る事が出来るのです。
自分の本当の感情や気持ちを
・『それは違うよ』
・『普通はこうだよ』という
『社会』という一つの世界に対する生きやすさに重点を置きすぎると、
子どもは本来ある自分の力や、自分の気持ちを信じられなくなってしまいます。
標準に合わせなければならない労力が私達よりも必要な子どもたちだからこそ、
「あるがままの姿を認め『好き』の力を伸ばす目線も大切」だということを
お子さまとの関わりに悩む親御様や施設関係者さまに、いつもお伝えさせて頂いています。

6月16日木曜日にお伺いした、
西成区発達支援センタークリエバ様へ6月ワークでは、手指の高次元化に向けたボディーイメージの発達を促す大型制作に取り組みました。

好きな色の雨を、自分たちの町に降らします。
上から下へ。
上下の動きを意識しながら、壁面という縦ラインへ描くことで、ボディーイメージの発達を促してゆきます。
同時に、それぞれの形で「雨」を表現してゆくお子様の違いを子ども達同志が知り、無意識のうちに認め合う姿が印象的でした(^^)

人と違うということは、時に苦しさを伴います。
ですが人と違うということは、「その人自身である」とも言い換える事ができます。
一人一人持っているその「人との違い。」は、もしかしたら宝物かもしれないよ。
そんな視点を持ってお子様と歩んでゆきたい、そう考えています。
■満席のお知らせ
『施設さま体験教室』満席により受付を終了させていただきます。
沢山のお問い合わせありがとうございました。